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IPOに関するQ&A
Vol.
17
「初値が公開価格を大幅に上回っている状況」についての問題提起(「公正取引委員会」を筆者が要約)
監査法人Verita
CEO/公認会計士
舩津丸 仁

1.概要

 日本のIPOについては、「初値が公開価格を大幅に上回っている状況」があり、この状況について、独占禁止法上の観点から、公正取引員会による実態把握が行われた。
 そこでは、下記のことが指摘されている。

「公開価格で株式を取得した特定の投資家が差益を得るが、新規上場会社には直接の利益が及ばず、同じ発行株数でより多額の資金調達をし得たはずであった」

2.公開価格の設定プロセス

(1)公開価格の設定方法

※1997年9月にブックビルディング方式が実施されて以降、全ての案件においてブックビルディング方式が選択されている。

(2)ブックビルディング方式による公開価格設定プロセスの全体像

【引用文献】
公正取引委員会[2022]新規株式公開(IPO)における公開価格設定プロセス等に関する実態把握について

舩津丸 仁
2010年に公認会計士試験合格。株式会社ベクトルに入社、担当者として上場プロジェクトを推進し、マザーズ上場を達成(2012年)。その後、監査法人トーマツ(トータル・サービス事業部)に入所、上場プロジェクト(上場達成は10社以上)などに関与。2020年に独立。現在は、自身が一桁の合格順位を記録したメソッドと「正しい勉強を続ければ、誰でも公認会計士になれる」を合言葉に大学で教職に就くなど、後進の育成にも力を入れている。「すべては気持ち次第」という楽観主義者。

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