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IPOに関するQ&A
Vol.
26
IPOのリアル 〜 株式の観点より 〜 (2024年3月時点)
監査法人Verita
CEO/公認会計士
舩津丸 仁

対象:2023年10月1日〜2024年3月31日までに東京証券取引所(グロース市場)に上場した会社(39社)

1.時価総額(公開価格ベース)

・75億円未満の会社が26社(67%)

2.騰落率(公開価格 vs 初値)

・100%以上(=初値が公開価格の2倍以上)の会社が9社(23%)
・0%未満(=初値が公開価格を下回る、いわゆる公募割れ)の会社が11社(28%)

3.騰落率(初値 vs 直近株価(4月9日))

・初値より下落している会社が31社(79%)

4.上場後の新規株主割合(IPOによって新規株主となった者/上場後の発行済株式数)

・「20%以上〜40%未満」 の増加が最も多く26社(67%)

5.公開価格の設定(vs 仮条件)

・「仮条件の上限=公開価格」 で設定された会社が31社(79%)
・2023年10月1日以降、公開価格が仮条件の下限の80%以上かつ上限の120%以下の範囲内で決定される場合が生じる

6.新規の資金調達額

・「10億円未満」 が最も多く33社(85%)
・最高額は360億円、最低額は0.3億円

7.既存株主の現金化額(売出しについては、便宜的に公開価格で算定)

・「5億円未満」 が最も多く18社(46%)
・最高額は86億円、最低額は0.4億円

8.業種別の上場数

・「情報・通信業」 が最も多く18社(46%)

9.設立から上場までの年数

・「5年以上〜10年未満」 が最も多く13社(33%)
・最短は3.9年、最長は41.8年

10.売上高

・「5億円以上〜10億円未満」 が最も多く9社(23%)
・最高額は6,531億円、最低額はゼロ円

11.経常利益

・「5億円未満」 が最も多く22社(56%)
・最高額は143億円、最低額は▲13億円

舩津丸 仁
2010年に公認会計士試験合格。株式会社ベクトルに入社、担当者として上場プロジェクトを推進し、マザーズ上場を達成(2012年)。その後、監査法人トーマツ(トータル・サービス事業部)に入所、上場プロジェクト(上場達成は10社以上)などに関与。2020年に独立。現在は、自身が一桁の合格順位を記録したメソッドと「正しい勉強を続ければ、誰でも公認会計士になれる」を合言葉に大学で教職に就くなど、後進の育成にも力を入れている。「すべては気持ち次第」という楽観主義者。

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